葬儀の種類
直葬 / 火葬式
火葬式とはお通夜とお葬式を行わず火葬のみを行い故人を送る式のことです。
「直葬」と呼ばれることもあります。ここでは火葬式の流れやメリットとデメリットをご紹介します。
直葬 / 火葬式の流れ
・ご遺体の搬送
逝去とともに、遺体を搬送します。遺体の搬送先は自宅、または葬儀場など別の場所を決める必要があります。
・遺体の安置
搬送してから火葬を執り行うまでの間、遺体を安置します。ご自宅に安置が難しい場合は葬儀社の霊安室などに安置します。
・納棺
一般的に納棺を行う際には末期の水、湯灌、死化粧、死装束への着替えなど一連の儀式を行った後、
遺体を棺に納めますが、火葬式ではそれらを全て省略し、臨終時の姿のままで納棺する事も多いようです。
・火葬
遺体を火葬します。遺体を火葬炉に納める際に「炉前の読経」のみをご依頼することもできます。
その場合は事前に菩提寺や葬儀社にご相談することをお勧めします。
・お骨上げ
遺族の方の手でお骨を骨壺に納めていただきます。(葬儀社への代行も可能です。)
火葬式のメリット
火葬式の大きなメリットは何といっても、喪家側の金銭的負担を抑えることができることでしょう。
お葬式の費用は大きく分けて3つあります。
・儀式に必要な祭壇や葬儀会館の使用料などの「葬儀一式費用」
・会食費、香典返しなどの「飲食接待費用」
・御布施や御車料、御膳料などの「宗教関係者費用」
これらの費用が火葬式を選ぶことで、火葬に必要なものの費用のみで済むので、費用を抑えることができます。
もう一つのメリットは遺族の精神的な負担が少ないことです。
大切な方を亡くされた遺族は大きな精神的負担を抱えることとなります。
その悲しみに暮れる間もなく遺体の搬送、お通夜・お葬式の打ち合わせを済ませ、
2日間にわたる儀式を喪主として勤め上げた上、参列者への対応や気配りも必要になります。
事前の準備も大幅に短縮でき、儀式自体も半日程度で済ませることができる火葬式は、
遺族の精神・体力の消耗を最小限に抑えられる点でも大きなメリットがあると言えるでしょう。
火葬式のデメリット
火葬式のデメリットはご遺族同士でのトラブルになる可能性があるところです。
お葬式を行わない火葬式をされたことによって故人との最後のお別れの機会を失ってしまう方もおられます。
家族の中で十分話し合って火葬式の決断をしたとしても、
親戚の方にとっては最後のお別れの機会を奪われてしまったと考える方もおられるでしょう。
そういった人たちの気持ちを考える上でも、火葬式を決断した際には事後報告は禁物です。
できるだけ事前に経緯や理由を伝え、火葬式についての理解を求めることが必要です。
火葬式をされると納骨の際に問題が出る可能性があるということもデメリットの一つです。
生前に戒名(法名)をもらっている方以外は、お葬式の中で戒名(法名)を頂く方が大半です。
お葬式を行わない火葬式では基本的に戒名(法名)を頂けません。戒名(法名)を頂いていないと納骨の際に断られることがあります。
なので、火葬式を選ぶことで納骨の選択肢が狭まってしまうこともデメリットといえるでしょう。
(火葬式が終わった後からでも名前を付けていただけるご寺院様もあります。)
「お葬式」は遺族が故人の死と向き合う大切な場でもあります。
現実感を喪失した悲しみの中で、個人と縁のある人たちと交流して悲しみを分かち合うことで、自身も少しづつ故人の死を受けていることができるのです。
この儀式を経ないことで、故人への気持ちを整理できないままになってしまう可能性もあります。
このように、火葬式にはメリットとデメリットがあります。
どのような形で故人とお別れし、また見送るのか。家族間でよく話し合うことが後悔しないお別れの秘訣と言えるでしょう。
一日葬
一日葬とは、
お通夜を行わない、告別式と火葬のみの葬儀のことです。
お通夜を省き、火葬場にある斎場を利用することで費用を抑えられたり、参列者の身体的な負担を軽減できたりします。
故人や親族の希望によって選ばれる方式ですが、1日だけの葬儀となるため、
参列できない人が出てくる事態も想定されます。
また、葬儀を簡略化するスタイルのため、
事前に参列者に連絡を入れたり、お寺に許可を取ったりしておく必要があります。
一日葬の流れ
・ご遺体の搬送
逝去とともに、遺体を搬送します。遺体の搬送先は自宅、または葬儀場など別の場所を決める必要があります。
・遺体の安置
搬送してから火葬を執り行うまでの間、遺体を安置します。ご自宅に安置が難しい場合は葬儀社の霊安室などに安置します。
・納棺
多くの葬儀者では納棺を行う際には末期の水、湯灌、死化粧、死装束への着替えなど一連の儀式を行った後、遺体を棺に納めます。
・葬儀・告別式
故人様との最後のお別れの時間となります。葬儀社の会館や火葬場にある斎場で執り行います。このお時間があるのが火葬式との違いになります
・火葬
火葬には2時間ほどお時間がかかります。
・お骨上げ
遺族の方の手でお骨を骨壺に納めていただきます。(葬儀社への代行も可能です。)
一日葬のメリット
一日葬のメリットは、なんといっても家族の負担が少なく、必要なお別れの時間をゆったりとることができるという点です。
一日葬は通夜式を執り行いません。なので、お葬式を一日で完結することができ、体力的負担を軽減することができます。
一日葬のデメリット
一日葬という葬儀の形式自体が比較的新しい形のため、親族や菩提寺との相談が必要になります。
というのも、古くから通夜も含めていわゆる一般葬が正しい葬儀形式という認識がありました。
今では一日葬や火葬式(直葬)もごく一般的になっていますが、地域や宗教、それぞれの家族によって考え方が異なります。
菩提寺がある方も、一日葬にしたい旨をお寺へ相談しておきましょう。
通夜を行わず、1日で葬儀を執り行う形式について、お寺の考えによっては後々トラブルになる可能性もあるためです。
ごく身近な家族で見送りたいけれども通夜を行わない一日葬に不安がある場合は、家族葬をおすすめします。
まとめ
・一日葬とは通夜を行わず葬儀・告別式のみ行い、一日だけで完結できるお葬式の新しい形です。
なので、これまでのお葬式の形を重んじる方とのトラブルや一日葬を執り行っていただけないご寺院様もありますので、
一日葬をご検討の方は周りの親族と十分に話し合ったうえで菩提寺への確認もするようにしましょう。
・通夜を行わない一日葬だからと言って、金額を大幅に抑えられない場合があります。
例えば、葬儀社のホールを使っての一日葬をされる場合、
会館を使用する時間が通夜を行うお葬式と比べると半分になるので会館使用料も半分になると考える方も多いと思いますが、
二日分の会館使用料のままの金額であったり、人数の制限やいろいろな制限があったりするのでそのあたりも確認するようにしましょう。
併せてお寺にお渡しするお布施も一日葬だからと言って半分になるわけではありませんので注意しましょう。
家族葬
親しい方を中心にお見送りするお葬式の総称です。
家族のみでなく、親しい友人も含めて少人数でのお葬式のことを指します。
どこまで参列者を呼ぶかは家族葬には明確な定義がありません。
基本的に必要なことや式の流れは一般的な葬儀とほぼ同じですが、
少人数のため、一人ひとりの想いが反映しやすいという特長があります。
家族葬の流れ
・ご遺体の搬送
逝去とともに、遺体を搬送します。遺体の搬送先は自宅、または葬儀場など別の場所を決める必要があります。
・遺体の安置
搬送してから火葬を執り行うまでの間、遺体を安置します。ご自宅に安置が難しい場合は葬儀社の霊安室などに安置します。
・納棺
多くの葬儀社では納棺を行う際には末期の水、湯灌、死化粧、死装束への着替えなど一連の儀式を行った後、遺体を棺に納めます。
・通夜
お通夜とは、夜通し灯りを消さずに、ご遺体を見守る儀式です。
葬儀・告別式の前夜に、親族や親しい友人などゆかりの深い人々が集まって、故人の冥福を祈り、別れを惜しみます。
遺族は夜通し灯明と線香の火を絶やさないようにします。
・葬儀・告別式
故人様との最後のお別れの時間となります。葬儀社の会館や火葬場にある斎場で執り行います。
・出棺
葬儀会館やご自宅などの葬儀・告別式を行った場所から火葬場へ向かいます。
・火葬
火葬炉にお棺を納めます。
・お骨上げ
遺族の方の手でお骨を骨壺に納めていただきます。(葬儀社への代行も可能です。)
家族葬のメリット
家族葬とはその名の通り近しい親族で行うお葬式の形です。
そのため大切な方を亡くされて深い悲しみの中でのご遺族が参列者に対する準備や気遣いが軽減されることによって、
故人とのお別れに向けた心づもりのお時間を少しでも長くすることができます。
また、ご遺族や故人と親しい間柄の人を中心としたお見送りができ、
思い出話など気兼ねない時間をゆっくりと過ごすことができます。
ご遺族は故人と親交があった人に対して、生前のお礼を丁寧に伝えることもできるでしょう。
故人が生前希望されていたお葬式の形になりやすく、故人との最後のお時間をゆっくり過ごすことができます。
このように故人やご遺族の思いを葬儀に反映させ、
葬儀のかたちにとらわれにくいアットホームなお別れに近づけることができるのもメリットと言えるでしょう。
家族葬のデメリット
家族葬の場合、遺族が訃報を知らせる人が限られてしまいがちです。
そのため、弔問に訪れる人が少なく香典収入が少なくなる傾向にあります。
葬儀費用は香典によって賄われる部分も多くあるため、その分葬儀費用の持ち出しの割合が増える場合もあります。
また、お葬式が終わった後にお葬式に参列できなかったご近所の方や会社関係の方がご自宅へ弔問に訪れる場合があります。
その際に慌ただしく部屋の片づけや香典返しの準備などで思わぬ手間や、出費が出てしまう場合があります。
地域性や故人もしくはご遺族の地位や立場によっては、
家族葬という葬儀のかたちを会葬者や親族に受け入れてもらえない場合もあります。
「故人が粗末に扱われている」「皆でお別れをしたかった」というように、
不義理として伝わってしまうとご遺族に不満を持たれる可能性が生じます。
まとめ
家族葬は一般葬とは違い、参列者の方を制限して行うお葬式なので、
故人との最後の時間をゆっくり過ごすことができ、アットホームなお別れができるお葬式の形です。
そのためお葬式の際に参列できなかった方とのトラブルや、
お葬式が終わった後でのご自宅での対応をせざる負えない状況になる可能性があります。
お葬式というのは一生に一度しかありませんので後悔のないお葬式をしたいものです。
ですがご家族ごとに問題は違い、
思いがけない問題が出てきてしまい完璧なお葬式はなかなか難しいかもしれません。
だからこそ家族葬だからこうしなければならない、
などにとらわれずに大切な方を心を込めてお送りするということに
重きを置いてどのようなお葬式が最善なのかを考えていただけたらと思います。
寺葬
寺院葬とは、寺院で葬儀を行うことです。
民間の式場を借りるよりも低価格で格式の高い葬儀をあげることができるといわれていますが、
何よりもお寺の中の厳粛な雰囲気の中で格式の高いお別れの儀式が執り行えるという魅力があります。
現在では菩提寺がある方だけでなく、
菩提寺がない方でも宗派が合っている寺院であれば、その寺院で葬儀を行える場合が多くなっています。
寺院葬の流れ
寺院葬の流れは基本的にはホールの家族葬と変わりありません。
・ご遺体の搬送
逝去とともに、遺体を搬送します。遺体の搬送先は自宅、または葬儀場など別の場所を決める必要があります。
寺院葬を希望される方はこのときにお寺に連絡を入れ安置をさせてもらえるか確認しましょう。
・遺体の安置
搬送してから火葬を執り行うまでの間、遺体を安置します。寺院葬の場合はご自宅かお寺のほうで安置をします。どちらも難しい場合は葬儀社の霊安室などに安置します。
・納棺
多くの葬儀社では納棺を行う際には末期の水、湯灌、死化粧、死装束への着替えなど一連の儀式を行った後、遺体を棺に納めます。
・通夜
お通夜とは、夜通し灯りを消さずに、ご遺体を見守る儀式です。
葬儀・告別式の前夜に、親族や親しい友人などゆかりの深い人々が集まって、故人の冥福を祈り、別れを惜しみます。
遺族は夜通し灯明と線香の火を絶やさないようにします。
ただし、寺院葬の場合はお寺に宿泊が可能かどうかを確認する必要があります。
・葬儀・告別式
故人様との最後のお別れの時間となります。葬儀社の会館や火葬場にある斎場で執り行います。
・出棺
葬儀・告別式を行った寺院から火葬場へ向かいます。
・火葬
火葬炉にお棺を納めます。
・お骨上げ
遺族の方の手でお骨を骨壺に納めていただきます。(葬儀社への代行も可能です。)
寺院葬のメリット
寺院でのお葬式ですので各宗教宗派の教義に則った本尊や、
本尊に次いで崇められる仏様などが正しく祀られ、
またこれら本尊や仏様を祀るに相応しい飾り付けがなされていて、
荘厳な雰囲気の中で葬儀を執り行うことできます。
寺院によっては、祭壇が不要となります。
特に本堂を使用して葬儀を行う場合には既に本尊は祀られていますし、
本尊を祀るための飾り付けもなされていることから祭壇は設置する必要はないと考える寺院があります。
祭壇を使用しなければ、祭壇料金分の削減にも繋がります。
寺院葬のデメリット
寺院の建物は、もともと葬儀を行う目的では建てられていません。
なので、椅子席の有無(板間、畳敷きのみの寺院も多い)、
空調設備、バストイレ付の宿泊設備など一般的な葬祭ホールに比べると、
設備面で快適性に劣る可能性が高いのが現状です。また、特に古い寺院では、
通路の手すりや車椅子用のスロープが無いなど、
バリアフリーに関する整備まで手が回っていないところも多くあります。
特に車椅子でも入れるトイレがないところもあるので注意が必要です。
まとめ
寺院でのお葬式についてのご紹介でした。
寺院葬をお考えの方は一度菩提寺を訪れて式場の広さや宿泊施設の有無を事前に確認をして、
参列予定の人数などを考慮して可能かどうかを決めていただけたらと思います。
厳格な雰囲気の中葬儀を行える寺院葬、
少人数でご自宅の近くに菩提寺がある方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
自宅葬
自宅葬とは住み慣れたご自宅で通夜・葬儀を行う昔ながらの葬儀の形です。
また、自宅で行うのである程度自由な葬儀が行えるのが特徴です。
自宅葬の流れ
・ご遺体の搬送
逝去とともに、遺体を搬送します。自宅葬の場合は基本的にご自宅に搬送します。
・遺体の安置
搬送してから火葬を執り行うまでの間、遺体を安置します。
・納棺
多くの葬儀社では納棺を行う際には末期の水、湯灌、死化粧、死装束への着替えなど一連の儀式を行った後、遺体を棺に納めます。
・通夜
お通夜とは、夜通し灯りを消さずに、ご遺体を見守る儀式です。
葬儀・告別式の前夜に、親族や親しい友人などゆかりの深い人々が集まって、
故人の冥福を祈り、別れを惜しみます。遺族は夜通し灯明と線香の火を絶やさないようにします。
・葬儀・告別式
故人様との最後のお別れの時間となります。
・出棺
ご自宅からから火葬場へ向かいます。
・火葬
火葬炉にお棺を納めます。
・お骨上げ
遺族の方の手でお骨を骨壺に納めていただきます。(葬儀社への代行も可能です。)
自宅葬のメリット
自宅葬のメリットは何といっても故人が住み慣れた家でお別れができることです。
入院生活が長く、最期は「自宅に帰りたい」といった個人の想いを叶えることもできます。
葬儀会館とは違い時間の制約がないので故人との時間をゆっくりと過ごせたり、
人目を気にすることなく思いっきり泣いたりできるのもメリットでしょう。
自宅葬だと時間や会場ごとのルールの制限がないので、
好きな料理を作ったり、弔問客を招いたりなど自由にお葬式を行えます。
ご近所付き合いがある地域では、自宅葬を行うと近所や組合の方が手伝いに来てくれるこ
とが多いです。親族のみで行うというよりは、近所の方も一緒になって葬儀を行うという
考え方の地域もあります。
親しい人に囲まれ、ゆっくりと自宅で行うお葬式であれば故人も喜んでくれるでしょう。
また、自宅葬の場合式場使用料がかからないのもメリットです。
自宅葬のデメリット
自宅でお葬式を行う場合、まずご近所への配慮を考えましょう。
弔問客や棺の出入りや話し声がするため、あらかじめご近所へは声をかけておくことが必要です。
弔問客が多い場合は、駐車場などの確保も必要です。
自宅周辺の環境がどうなっているか、迷惑にならないかを確認しておきましょう。
また、祭壇を飾るスペースや柩が通れるだけのスペースの確保、
お寺さんの控室や接待、後片づけをしないとならないのもデメリットといえるでしょう。
まとめ
セレモニーホールや会館などで行われる葬儀が「一般葬」と言われるのに対し、
自宅で行われる葬儀を「自宅葬」と言います。
今でこそ一般葬があたり前になっていますが、
一昔前までは自宅での葬儀のほうが一般的だったようです。
一昔前は現在とは違い、広い平屋建ての家も多く、近所付き合いも盛んでした。
そのため、自宅に僧侶を招き、近所の方に手伝ってもらいながら執り行うことが多かったのです。
現在のような一般葬が普及した背景として、核家族化に伴い、
アパートやマンションに住む人が増えたことが挙げられます。
大勢が集まれる部屋が少なくなったことで、自宅で葬儀をあげることが難しくなっていったのです。
一般葬は時期によっては予約が取りにくく、莫大な費用がかかるため、近年再び「自宅葬」が注目を集めています。
身内だけでお見送りをしたい方やゆっくり故人とお別れをしたい方にとっては、
しきたりに縛られることなく気を遣わずに葬儀を執り行うことができるというメリットもあるでしょう。
しかし、十分なスペースの確保や近隣への配慮は必要不可欠といえます。
自宅で葬儀を希望される場合には、
事前に葬儀社を選んで相談しておくとスムーズに進められ安心して最期のお別れができるでしょう。
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